「史上最速を目にした」。米国記者が見た新人右腕ヒックスの「168キロ」

Written By Ryan Fagan
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Getty Images

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セントルイスでは、娘が8月の中旬に生まれる予定だ。私たち夫婦にとって第一子であり、非常に興奮している。少しでも早く、娘にライブで野球の試合を味あわせてあげたい。音だけでもと思い、20日(日)の午後、妻のテイトとお腹の娘をブッシュ・スタジアムのカージナルス対フィリーズの試合に連れて行った。その1日前に、ベビーシャワーで、セントルイスの街に来ていたのだ。

内心では、何か特別なことが起こることを期待していた。生まれてくる娘に、初めて観戦した野球の試合で、素晴らしい出来事が起こったと、伝えたかったからだ。お前がこの世に生まれてくることを、野球界も祝福してくれたんだ、と伝えたかった。バカげていると言われても構わない。彼女に素晴らしい出来事を与えてあげたいんだ。それは生涯変わらない。

3イニングまでは、カージナルスのルーキー、ジャック・フラハーティがその素晴らしい出来事を与えてくれると思っていた。彼はフィリーズの9人の打者から、4連続三振を奪うなどし、簡単にアウトを積み重ねていた。この新人投手が娘のために完全試合を見せてくれるのか?もしくは、ノーヒットノーラン?私自身もまだ、どちらも球場で見たことはなかった。まだ3回だったが、私は望みを持っていた。 

リース・ホスキンスが、4回1アウトから紛れもないホームランを放ち、私の望みは消え去った。その後、フラハーティは再びフィリーズ相手に快投を続け、7回2/3イニングで13個の三振を奪い交代した。彼のメジャー9試合目かつ、今シーズン先発4試合目としては、非常に圧倒的なパフォーマンスであった。 

彼がこの調子で活躍を続けていけば、私が少し話を盛ることで、これを素晴らしい出来事にすることが可能か?と考えた。「娘よ、オールスターに出場しているあの投手を見てごらん。彼がメジャーで初めて最高のピッチングをした時、お前は球場にいたんだぞ」うまくいくかもしれない。 

しかし、ジョーダン・ヒックスがやってのけた。突然、娘の初めての野球観戦におけるジャック・フラハーティの存在は、隅に追いやられてしまった。 

8回2アウトの場面で、フラハーティからピッチングを引き継いだヒックスは、ニック・ウィリアムズをゴロに打ち取った。9回、先頭打者のシーザー・ヘルナンデスに四球を与えたが、続くホスキンスを見事な6-4-3のダブルプレーで仕留めた。 

ヒックスは、最初の3人の打者に対し、ルーキーのリリーフ投手としては順当な97マイルから102マイルのシンカーを投げた。 

現在ナ・リーグの首位打者であるオデュベル・ヘレーラを打席に迎えた。ヒックスの初球は、プレートど真ん中に落ちるストライク。ブッシュ・スタジアムの観衆は、息を飲んだ。レフトの「ビックマック・ランド」の上にある、球速が表示されるディスプレーに目をやった。 

時速104マイル 

娘には使ってほしくないような言葉を、思わず口走ってしまった。私は、その数字を写真に収めるために、携帯のカメラを起動させようとしたが間に合わず、表示された数字は消えてしまった。MLBのAt Batアプリを開いて、その信じられない球速が、球場のスピードガンによるものなのか、正式なものなのか調べた。正式な数字だと確認してから、ヒックスの投球に視線を戻すと、またもあり得ないくらい速い球を投げた。速すぎて、キャッチャーのフランシスコ・ペーニャは捕球できず、バックネットに球を拾いに行った。 

時速105マイル 

驚愕の瞬間を目にしたあと、At Batアプリからカメラに切り替えたが、またしても間に合わなかった。その信じがたい球速表示は、再び消えてしまった。 

「これは普通じゃない」私は妻とお腹の娘に言った。 

ヒックスがこの速球をもう1度繰り返してもいいように、準備をしておこうと思った。私はカメラを球速の表示板に向けてそのままにし、ヒックスの投球を力まずに見届けた。 

時速104マイル 

今度は写真撮影に成功した。この瞬間を世の中の人たちと共有するために、私はその写真を拡大してトリミングし、ツイッターに投稿した。ヒックスが投球モーションに入ると、球場全体が期待を込めて、固唾を飲んで見守っていた。 

時速105マイル 

まだ球場に残っていた観客は沸き、お腹の娘にその声が届いていることを願った。ヘレーラは、その球を何とかバットに当てて、ファウルにした。私は、たくさん写真を撮り、ベストショットをトリミングし、ツイッターに載せた。 

ヒックスの次の投球は、プレートの手前で大きく跳ねたが、103マイルだった。ヘレーラはたまらず振ってしまった。ペーニャが捕球のため、バックネット方向へ行ったので、ヘレーラは振り逃げで一塁に走った。その後、カルロス・サンタナに四球を与えた。球速は101マイルだったが、101マイルのボールにがっかりしたのは、この時が初めてだ。99マイルのシンカーで、ホルヘ・アルファーロをゴロに打ち取り、試合は終了した。 

少し考えてから、私は妻とお腹の娘に言った。「野球史上最速のピッチングを目にしたんだと思う」

「すごい」テイトは言った。「素晴らしいわ」 

娘はどうかと言えば、お腹を蹴って答えていた。 

原文:Jordan Hicks, a 105 mph sinker, and an amazing moment at the baseball game
翻訳:Atsuko Sawada

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