MLB2021年シーズン個人賞レースの行方:サイ・ヤング賞、最優秀選手賞、新人王レースを引っ張るスター選手達

Written By Ryan Fagan
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(Getty Images)

シーズン開幕後2ヵ月の時点は最優秀選手賞(MVP)やサイ・ヤング賞の受賞者を予想し始めるにはかなり早過ぎるのだが、それでも野球ファンはそれをしたがるものだ。

ならば、このような見方はどうだろうか。

仮にシーズンが昨日終了としたら、我々が選ぶだろう各賞の受賞者たちは以下の通りだ。本来のシーズン終了後に最終的に受賞する選手を予想したものではない。

 

ナショナル・リーグ、サイ・ヤング

ジェイコブ・デグロム (ニューヨーク・メッツ): 既にサイ・ヤング賞に2回輝いている、かの比類なきデグロムであるにしても、2021年シーズンの記録は驚異的としか表現のしようがない。デグロムはここまで8試合に先発登板し、それでいて防御率は0.71なのだ。FIP(守備の影響を排除して投手の成績を評価する数値)は1.08だ。51イニングを投げ、わずかに22本の安打と7個の四死球しか与えず、82個の三振を奪っている。三振と四死球の比率は11.7倍、1試合平均の三振数は14.5で、これらの数値はデグラムのキャリアでも最高のものだ。2021年に先発した試合で2点以上の失点を喫したことも、6人以上のランナーを出したことさえも、一度もない。

今シーズンは多くの投手たちが素晴らしい成績を残しているが、それにもかかわらずデグラムをこの賞に選ぶことは容易な選択である。

他の候補者たち: ケビン・ゴーズマン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)とブランドン・ウッドラフ(ミルウォーキー・ブルワーズ)の2人がトップ候補ではない事実はにわかに信じがたい。2人とも11回先発登板し、防御率はそれぞれ1.40 と1.27、bWARはそれぞれ3.5と3.9 なのだから。ウッドラフとともにブルワーズの先発ローテションの一角を担うコービン・バーンズもFIPが1.15、防御率2.24、三振と四死球の比率は11.6 倍だ。ブルワーズにはフレディ・ペラルタもいて、防御率2.38で三振と四死球の比率は13.1 倍である。

それでも、この2人はチームトップですらない。トレバー・ロジャース (マイアミ・マーリンズ、防御率1.87, FIP2.46) とトレバー・バウアー(ロサンゼルス・ドジャース、防御率2.24 とナショナル・リーグ最多の96奪三振)、マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ、防御率2.34 、95奪三振)、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス、防御率2.16)などの錚々たる名前すら本命候補にも挙げられない。タイフアン・ウォーカー(ニューヨーク・メッツ)とジョン・ガント(セントルイス・カージナルス)も2点以下の防御率(それぞれ1.84, 1.60)を挙げているが、この2人も議論の対象にすらならない。

 

ナショナル・リーグ、最優秀選手賞(MVP)

フェルナンド・タティス・ジュニア(サンディエゴ・パドレス): パドレスが誇るこの若きスーパースターはWAR数値ではナショナル・リーグのトップ野手ではない。『FanGraphs』式ではニコラス・カステヤノス(シンシナティ・レッズ)が、そして『Baseball-Reference』式ではマックス・マンシー(ロサンゼルス・ドジャース)がそれぞれのトップにある。しかし、タティスはパドレスがここまで消化した56試合のうち39試合にしか出場していないにも関わらず、今シーズンの活躍は驚異的である。本塁打16本はメジャーリーグのトップであるし、盗塁数12はナショナル・リーグのトップタイだ。長打率.693もナショナル・リーグのトップであり、OPS+の数値は199に達する。

他の候補者たち: マンシーとカステヤノスはどちらもこの賞の候補になるに相応しい活躍を見せている。クリス・ブライアント(シカゴ・カブス)が今シーズンは復調を見せており(打率.317、出塁率.398、長打率.598、本塁打12本)、ナショナル・リーグ中地区で健闘しているカブスの原動力になっている。ロナルド・アクーニャ・ジュニア(アトランタ・ブレーブス)は不調のチームにあって孤軍奮闘しっ素晴らしい成績を残しているし、ジェシー・ウィンカー(シンシナティ・レッズ)は打率.341、本塁打13本、そして長打率.621の数字を挙げている。そしてバスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)も忘れてはいけない。年齢による衰えを感じさせないこのベテラン捕手は打率3割と2ケタの本塁打を放っており、快進撃を続けるジャイアンツを引っ張っている。

 

ナショナル・リーグ、新人王

トレバー・ロジャース(マイアミ・マーリンズ): ロジャースは2017年ドラフト会議において全体13番目で指名され、2020年にメジャーへ昇格した。しかしデビューしたシーズンでは思うような結果を残せなかった。この左腕投手は7回先発登板し、防御率は6.11だったのだ。23歳で迎えた今シーズンは本領を発揮し始めたようだ。これまでに11回先発登板し、防御率は1.87であるし、62回2/3を投げて76個の三振を奪い、被本塁打はわずかに3本しか許していない。

他の候補者たち: イアン・アンダーソン (アトランタ・ブレーブス、先発登板10回、防御率3.27)は昨シーズンのプレーオフから好調を維持している。アドバート・アルゾレイ(シカゴ・カブス、先発登板10回、防御率3.66)も好成績を挙げている。打者ではディラン・カールソン (セントルイス・カージナル)がポール・ゴールドシュミットとノーラン・アレナドの前を打つ2番打者として活躍している。

 

アメリカン・リーグ、サイ・ヤング賞

ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース): コールはノーヒットノーランを達成したわけではない。しかし、防御率1.78に加え、1試合平均で12.4個の三振を奪っているコールは2か月が経過した時点でのアメリカン・リーグでサイ・ヤング賞にもっとも相応しい投手だ。ローラーコースターのような浮き沈みの激しいシーズンを送っているヤンキースにあって、コールはまたしてもチームが求める役割を十分すぎるほど果たしている。

なかでも特筆すべきは、かねてから定評があるコールの制球力だ。これまで最悪のシーズンでも1試合平均の四死球は2.9個でしかないが、今シーズンは特に素晴らしい。11回の先発登板で97個の三振を奪う間に、わずかに9個の四死球しか出していないのだ。その中には49個の奪三振と0個の与四死球だった5連続試合も含まれる。コールはこれまでサイ・ヤング賞候補トップ5に4回選ばれている。2021年に念願の初受賞を果たしたとしても、それはまったく驚くには値しない。

他の候補者たち: カルロス・ロドン(シカゴ・ホワイトソックス、防御率1.98)とジョン・ミーンズ (ボルチモア・オリオールズ、防御率2.05)はどちらもノーヒットノーランを達成したうえに、防御率も2.00前後の数字を維持している。この賞のトップ候補になるには相応しい。ランス・リン(シカゴ・ホワイトソックス)は数回先発登板を見送ったが、それでも9回の先発登板で防御率1.37は見逃せない好成績だ。今シーズンも三振の数は全体的に多いが、そのなかでもシェーン・ビーバー(クリーブランド・インディアンス)は奪三振王として活躍している。

 

アメリカン・リーグ、最優秀選手賞(MVP)

ブラディミール・ゲレーロ・ジュニア(トロント・ブルージェイズ): 大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)の信じがたい活躍ぶりには敬意を払う。それでもなお、このブルージェイズの若きスーパースターをMVP受賞者に挙げたい。ゲレーロがアメリカン・リーグのトップかトップタイにある分野は以下の通りである。本塁打17本、安打64本、打率.337、出塁率.447、長打率.663、OPS+203、合計塁数126。2019年シーズンにメジャーリーグでのデビューを果たしたゲレーロは、91個の三振を喫し、46個の四死球しか選ばなかった。2021年ここまでは三振数は32個、四死球数も32個である。

ついつい忘れがちになるが、ゲレーロはこの3月に22歳になったばかりであることには驚くしかない。まるでずっと前から活躍している選手のように感じてしまうのは、ゲレーロが現在見せているだけの数字を挙げる潜在能力を備えていることがずっと以前から知られていたからに他ならない。

他の候補者たち: 大谷翔平を見るのは非常に楽しい。ザンダー・ボガーツ(ボストン・レッドソックス)も素晴らしいシーズンを送っており、レッドソックスが予想された以上の好調を維持していることの大きな理由でもある。ゲレーロのチームメイトであるマーカス・セミエンは2019年のMVP投票で3位に入ったが、今2021年シーズンも似たような位置にある。

 

アメリカン・リーグ、新人王

アドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ): 16本の本塁打と41打点はともにアメリカン・リーグのトップ5以内であるが、ガルシアの真価はそれだけには留まらない。ガルシアは緊迫した状況に非常に強い。今シーズンここまで、延長戦での本塁打をすでに3本放っている。そのうちの2本は10回表のレンジャーズにリードを与え、もう1本は10回裏の逆転サヨナラ本塁打だった。

他の候補者たち: ヤーミン・マーセイディーズ(シカゴ・ホワイトソックス)は驚異的な活躍を見せていたが、最近になって調子を落としている。同チームのマイケル・コペック投手は先発と救援の両役をこなしながら、31回1/3を投げて45個の三振を奪っている。ランディ・アロサレーナ(タンパベイ・レイズ)は昨プレーオフでの大活躍ほどではないが、それでも今シーズンここまでに7本の本塁打、36得点、8盗塁とまずまずの成績を残している。エマヌエル・クラセ(クリーブランド・インディアンス)は9個のセーブと防御率1.14とこれも傑出している。

(翻訳:角谷剛)

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