富樫勇樹レポート(4):持ち味を発揮した富樫をHCも称賛(宮地陽子)

Written By Yoko Miyaji

NBAという壁に立ち向かうには、時に運も必要だが、降ってきた運を生かすことができるかどうかは選手次第。この日、富樫には運がまわってきた。マブスのサマーリーグ・ロスターの中でポイントガード2番手のディー・ボストが試合に遅刻したため、富樫が2番手に繰り上げられたのだ。そのことを富樫は試合直前のシュート練習中に、サマーリーグ・チームのカレブ・カナレス・ヘッドコーチから告げられた。

「試合に出ると決まっていたので、気持ちの準備を含め、いい準備をして試合に入ることができた」と富樫は言う。2番手なら、いつ頃出番が回ってくるかわかる。気持ちの面で、それがひとつプラスとなった。

もうひとつ、富樫の中で少し変化があった。最初の3試合(うち1試合はコーチの判断で出場機会なし)は、特に日本から応援してくれているファンの期待に応えようと、力みすぎてしまっていたところがあった。この日は肩の力を抜いて「いつも通り、秋田でやっているときのような気持ちで入れた」と言う。

第1クォーター残り2分1秒に最初の出番が回ってきた。試合に出てすぐ、相手のパスを2回、指先で弾いた。どちらもスティールにはならなかったが、相手のリズムを崩した。さらに、その合間にはチャージングも取った。

「ポイントガードとして、あまり流れがよくなかったので。少し変えられればなと思って試合に出た」と言うように、元気がないチームにエネルギーを注ぐようなプレーだった。第1Q終了直前には、味方からのパスを受けてコーナーからの3ポイントシュートを躊躇なく打ち、きれいに決めた。

第2Qに入ってからも思い切りのいいプレーが続く。この試合2本目の3Pを決めたかと思うと、ドライブインから、ヘルプに出てきた208cmのディフェンダーをかわしてフローターを決めた。

フローターは富樫が中学時代から練習してきた技だ。bjリーグでアメリカ人のビッグマンたちの中でプレーしていたことで磨きをかけることができたという。後半に入ってからももう1本フローターを決め、10分51秒の出場で12得点をあげて、ベンチに下がった。

試合は、ホーネッツに逆転ブザービーターを決められてしまい、81-82で落としたが、富樫にとっては、ようやく自分の持ち味をコート上で披露することができた試合だった。

試合後、カナレスHCは、まず富樫のディフェンス面での貢献を評価した上で、「オフェンスでも、スピードを使ってアグレッシブに攻めていたのがよかった。すばらしい試合をした」と賞賛した。

この試合に負けたことで、マブスのサマーリーグは敗者戦1試合で終わることが確定した。富樫は「きょう負けて、もう1試合しかできないということで、見てもらえるチャンスもあと1試合しかないので、またしっかり準備して臨めればと思います」と、最後の試合に向けての抱負を語った。

最終戦はラスベガス時間7月18日午後1時(日本時間19日午前5時)から、フェニックス・サンズを相手に戦う。

文:宮地陽子  Twitter: @yokomiyaji




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