[鈴木千絵イラストコラム第8回]NBA HOME COURT/難問は代理人に任せる、夏のひととき

Written By Chie Suzuki

今夏のレブロン・ジェイムスは、マイアミ・ヒートに留まるか、移籍するのか、とリーグ中をかき回していました。しかし4年前のような「ザ・なんとか…!」みたいな、仰々しいタイトルでの物語は行ないませんでした。

チームとの細かい契約や選手のイメージづくりに一役買うのが、スポーツエージェント(代理人)というお仕事。先日シカゴ・ブルズと契約したパウ・ガソルの代理人は、来シーズン、リーグで最も年間契約額の多い、ワッセルマン・メディアグループのアーン・テレム。弟のマーク・ガソルやデリック・ローズ、はたまたMLBのダルビッシュ・ユウや、ヒデキ・マツイのヤンキース時代の米国代理人のひとりも彼なのです。ラマーカス・オルドリッジ、ラッセル・ウェストブルックも、例えば来シーズンの年俸は約15億円以上、ダニーロ・ガリナリやデアンドレ・ジョーダンも10億円以上という敏腕ぶり。

渦中のケビン・ラブ、ポール・ピアースやデロン・ウィリアムス、ブレイク・グリフィンの代理人は、エクセル・スポーツマネジメントのジェフ・シュワルツ。彼らも来シーズン約15億円以上(ピアース以外)。もう、細かい下何桁の数字はど〜でもよくなるほどお目にかかったことのない金額ですね。

BDAスポーツマネジメントのビル・ダフィーという代理人は、ラジョン・ロンド、ジョアキム・ノア、スティーブ・ナッシュ、クレイ・トンプソン、そして今ドラフト1位のアンドリュー・ウィギンスなどがクライアント。

クリエイティブ・アーティスト・エージェンシー(CAA)のレオン・ローズという代理人は、スーパースターを抱えていることで有名。カーメロ・アンソニー、クリス・ポール、ケビン・デュラント(Jay-Z設立のエージェント、Roc Nationと両方所属)、そして以前の“ザ・レブロン”。しかしレブロンは、その後CAA出身で小さなエージェンシーを立ち上げたリッチ・ポールを代理人に抜擢し、今夏クリーブランド・キャバリアーズと契約。過去にあまりにド派手な移籍物語を演じて世間のひんしゅくを買ったため、今回は人間味のある手紙を『スポーツ・イラストレイテッド』誌に公開し、本来持っているいいヤツっぷりを表現してみせました。このキャブズ行きには、ポールのアドバイスがあったそうで、4歳年上の友人でもあるポールとレブロンの仕事はひとまずうまくいったようです。

ところで、前述の代理人テレムは、昨年、クライアントの一人であるジェイソン・コリンズから突然「カミングアウト!」という重要な相談を受け、それをするならせめて契約後に、とアドバイスしたそう。だが、コリンズの「今、世界に発信したい」という強い要望で、それはチーム契約前に行なわれたのでした。もしこれを代理人の言うとおり契約後に行なっていたのなら、コリンズの実直さ、憂いの想いはこんなに皆を感動させなかったでしょう。

よくないイメージを払拭するのも、ありのままの人間性を感動的に伝えるのも、代理人とエージェンシーなのでしょうか。Roc Nationを断り、BDAスポーツマネジメントに所属したキャブズのウィギンスは、レブロンがミネソタ・ティンバーウルブズのラブを欲しがっているという話題になったとき、ドラフト1位にもかかわらず放出?と噂されました。それでまた、「レブロンはわがまま!」というイメージに逆戻り……しそうなところで、今回は失礼〜しようとしましたが、ラブ獲得戦がまたもや激化しています。

やはりウィギンスの誇りが傷つけられることになるのでしょうか……。各エージェントの横の関係性も見ていくと、興味がつきません。

※イラストは、ここ数回レブロンが続いていたので、初キャラでレブロン似のおっちゃん「レビロンさん」に来てもらいました。ちなみにレビロンさんには代理人はおりません。
パウ・ガソル:シカゴ・ブルズへ
ポール・ピアース:ワシントン・ウィザーズへ
アンドリュー・ウィギンス:キャブズ1位指名
ユーキ・トガシ:マーベリックス傘下のマイナーリーグに残ってほしいですね

文&イラスト:鈴木千絵  Twitter: @Chie3 , ブログ:  http://chiesuzuki.net


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