新たな役割を見出した7人の元オールスターたち

Written By Steve Aschburner/NBA.com
Carmelo Anthony Portland Trail Blazers
NBA Entertainment

かつて、カーメロ・アンソニーのチームとブレイク・グリフィンのチームの対戦が、彼らの存在から大きな話題となった時代があった。約7年前のことだ。

2013-14シーズン、アンソニーはニューヨーク・ニックスの人気者だった。リーグ2位の平均27.4得点でニックスをけん引していた。一方、グリフィンはリーグ6位の平均24.1得点をマーク。57勝25敗のロサンゼルス・クリッパーズに貢献した。

それから多くのことが変わった。アンソニーはポートランド・トレイルブレイザーズで、グリフィンもブルックリン・ネッツで、それぞれベンチスタートだ。彼らは、オールスター選出3回以上のベテランで、プレイオフを競うチームのリザーブを務めている7人のうちの2人である。

2週間前、不整脈の疑いでラマーカス・オルドリッジが引退するまで、その数は8だった。だが、残る7人には輝かしい経歴と豊富な経験、現チームを助けられるだけのリーダーシップがある。コートに立とうが、最近では少なくとも試合開始時によくあるように、コートサイドで座っていようが、だ。

今季開幕前の時点で、アンソニーとグリフィン、ドワイト・ハワード、ラジョン・ロンド、デリック・ローズは、合計でNBAの4034試合に出場していた。今季、この5選手が先発出場したのは、合計で34試合だけだ。

直近でさらにその役割が変わったベテランたち、ポール・ミルサップとマルク・ガソルを加えると、7人は合計でオールスター選出31回、オールNBA選出23回、得点王(アンソニー)、新人王2回(ローズとグリフィン)、最優秀守備選手賞4回(ハワード3回とガソル)、MVP(ローズ)受賞を記録している。

その彼らが、今ではバックアップメンバーだ。今の彼らは、若きスターたちを引き立てながら脇役の一員となっている。以下、オールスター出場回数順に、それぞれの選手について見てみよう。


カーメロ・アンソニー(ポートランド・トレイルブレイザーズ)

オールスター出場10回を誇るアンソニーが、NBA最初の15シーズンでベンチから出場することはなかった。オクラホマシティ・サンダー時代の2017-18シーズンには、その提案すら退けている。

その翌シーズン、ヒューストン・ロケッツでは、10試合のうち8試合でベンチスタートとなり、その後ローテーションから外れた。昨季はブレイザーズと契約し、全58試合で先発出場している。

だが、36歳となり、今季は再びベンチ問題に直面した。アンソニーは「その薬を飲みこまなければいけなかった」と話している。この役割は、彼に適していた。今季は平均24.8分間のプレイで13.6得点、3ポイントショット成功率40%と自己最多に迫る数字だ。

アンソニーは「お互いに合意してのことだ」と述べている。ポートランドの快適さや、デイミアン・リラード、CJ・マッカラムといったチームメイトたちとの関係が、決断を容易にさせたと明かした。

「とにかくコートに立ち、バスケットボールをしたかった。今起きていることの一部でありたかったんだ。チームの成功において重要な役割を担うためにね」。


ドワイト・ハワード(フィラデルフィア・76ers)

Getty Images

ハワードが本格的にベンチワークを担うようになったのは、今季が2年目だ。NBAでの最初の1044試合のうち、ベンチスタートは1回だけだった。昨季はロサンゼルス・レイカーズで67試合、今季は76ersで60試合中55試合がベンチスタートだ。

35歳になったハワードは、ジョエル・エンビードのバックアップ兼代役として定着している。76ers最大の攻撃オプションであるエンビードに近づくためというより、守備やリバウンドで支えるためだ。

最優秀守備選手賞を3回受賞しているハワードは、リバウンドで貢献してきた。36分ごとに17.3リバウンドという数字は、NBAでの17シーズンで最多だ。途中出場で8回のダブルダブル達成は、76ersでは1978-79シーズンのダリル・ドーキンス(16回)以来となる。


ブレイク・グリフィン(ブルックリン・ネッツ)

まだ32歳だが、グリフィンには負傷の歴史がある。それが、最近のより適した役割につながった。

グリフィンが代役を務めることの多いケビン・デュラントは、「彼のIQは天井知らずだ」と話す。

「彼は攻守両面におけるバスケットボールのやり方を知っている」。

優勝を目指すネッツと契約したことで、グリフィンのアドレナリンは再び上昇中だ。彼は感謝している。最近、グリフィンは「彼らはファンタスティックだった」と話した。

「ここに来た時から受け入れてもらった。すごくポジティブだった。移籍した僕を助けてくれ、やりやすいように、普通にやれるように努め、僕が自分のプレイをできるようにしてくれたんだ」。

グリフィンは平均20.6分間出場し、9.5得点、4.7リバウンドと良いプレイをしている。リザーブとしてフィールドゴール成功率51.7%、3P成功率40%、フリースロー成功率81.8%という数字は、スターターとしてのキャリア通算を上回るものだ。


ポール・ミルサップ(デンバー・ナゲッツ)

このリストのベテランスターたちの中で最も組織的な形で、ミルサップはナゲッツのベンチに座ることになった。マイケル・ポーターJr.の成長とアーロン・ゴードンの加入で、オールスター出場4回のミルサップは、ニコラ・ヨキッチのバックアッパーとして出場時間を得る役割を担うことになったのだ。

ナゲッツのフロントコートは、ミルサップ、ジャマイケル・グリーン、ジャベール・マギーが出場機会を争っている。プレイ時間の配分は、マイケル・マローン・ヘッドコーチの責任だ。そのマローンHCは「どの試合でも、彼らが出場機会なしで満足するとは思っていない」と述べている。

「だが、彼らにはチームやチームメイトたちに対する義務と責任があるんだ」。

今季のナゲッツはミルサップが先発出場した試合で21勝14敗。一方、ベンチスタートの時は12勝2敗だ。ベンチスタートは、ミルサップのキャリアを両側から挟むブックエンドのようである。2006年から08年まで、ユタ・ジャズでの最初の2シーズンも、先発出場は3試合だけだった。


ラジョン・ロンド(ロサンゼルス・クリッパーズ)

ロンドは2008年にボストン・セルティックスでスターターとして、2020年にレイカーズでバックアップとして、それぞれNBA優勝を果たしている。クリッパーズが望むのは、ロンドのさらに新たな役割だ。「プレイオフ・ロンド」としての彼の評判をあてにしている。

クリッパーズ加入時、チームのスター選手であるカワイ・レナードとポール・ジョージについて、ロンドは「メインの2人がもっと簡単な場所でボールを持てるようにしたい」と話した。

「彼らがボールを持つために、セットディフェンスをハードに取り組まなければいけない。僕たちが相手を止め、速攻を仕掛けられれば、前に出て、ボールをパスし、彼らに1on1で攻めさせるのが僕の仕事だ」。

ジョージは「僕らは彼の言うことを聞く。僕は彼をこのグループのリーダーだと思っているよ。彼はとても重要な役割を担っている」と述べた。

スターターとサブに関するロンドのキャリアは興味深い。最初の11シーズンは、異なる5チームで701試合中672試合と96%が先発出場だった。2018-19シーズンはレイカーズで先発出場29試合。だが、優勝した翌シーズン以降は、レイカーズ、アトランタ・ホークス、そしてクリッパーズでの86試合で、先発出場が5試合だ。

3月にホークスがトレードするまで、ロンドはネットレーティング(100ポゼッション当たりの得失点差)がマイナス9.2だった。だが、クリッパーズ加入後はプラス13.1だ。


マルク・ガソル(ロサンゼルス・レイカーズ)

ガソルは11月にフリーエージェントでレイカーズに加入した。再度の優勝を狙い、まだまだやれることを証明する機会を求めてのことだ。前者はまだどうなるか分からない。後者は、あまり計画通りにはいかなかった。

オールスター選出3回、最優秀守備選手賞受賞のガソルは、スターターとして大きく貢献してはいない。平均19.5分間のプレイで5.3得点、4.1リバウンド、2.1アシストという数字だ。3P成功率は38.7%をマークしている。だが、レイカーズがアンドレ・ドラモンド獲得の機会を手にした時から、ガソルのスターターとしての地位は脅かされた。

ドラモンドは3月28日(日本時間29日)にすぐセンターとして先発出場し、直近11試合のうち10試合でスターターの座を保っている。その11試合のうち、ガソルが出場したのは3試合だけだ。レイカーズもビッグマンが出場機会を競っている。モントレズ・ハレルにマーキーフ・モリス、最近復帰したアンソニー・デイビスも選択肢だ。

ガソルはプロフェッショナルとして任務に当たり続けているとみられている。だが、最近のZoomでのメディアセッションで、レイカーズのビッグマンの多さについて問われた際、彼は「聞く相手を間違えているよ。それは(フランク・ボーゲルHCの)決定だ」と答えた。

そのボーゲルHCは「マルクはウチが今年優勝するのに重要なピースだ」と話している。

だが現状は、ガソルがトロント・ラプターズでの2019-20シーズンのサラリーから90%減となる500万ドル(約5億5000万円)で2年契約を結んだ時に思い描いていたものではないだろう。


デリック・ローズ(ニューヨーク・ニックス)

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ローズは2回目となるニックスでのプレイで、先発出場64試合で平均18得点をあげた2016-17シーズンを上回る活躍を見せている。それは、偶然ではない。

違いは、指導者だ。トム・シボドーHCである。彼らは2010年から15年までシボドーがシカゴ・ブルズで指揮を執っていたころからの関係だ。互いを称賛している。2017年から19年まで、ミネソタ・ティンバーウルブズでも一緒だった。そして今はニックスをプレイオフ出場候補として復活させるのに貢献し、NBAを驚かせている。

ローズのキャリアが薄幸だったのは確かだ。このリストで唯一のMVP受賞者であり、オールスター出場3回は2012年までのことだった。先発出場は507試合、ベンチスタートは131試合。それ以外の391試合を、ひざや足を主とする度々のケガで欠場した(2012-13シーズン全休を含む)。

元MVPながらレイカーズとセルティックスで新たな人生を見つけ、貴重な控えとして優勝に貢献し、殿堂入りを果たしたボブ・マカドゥーとビル・ウォルトンこそ、ローズの非公式なロールモデルだ。

シボドーHCは、自身の指導者としての成功はローズのおかげだとし、「とてつもないキャリア」と話している。ローズが23得点をあげたニューオーリンズ・ペリカンズ戦の試合後、シボドーHCは「多くの若い選手同様、彼もその才能で早くから成功した」と述べた。

「今の彼には当時なかった経験がある。だから、今の彼は精神的な面を理解しているんだ。かつてのような運動能力ではないかもしれない。だが、クイックネスは同じだ。相手にすごい重圧をかける」

「ウルブズで彼を獲得した時に、このことを本人に伝えた。素晴らしいキャリアのスタートだったが、3年連続の負傷によって道が狂ってしまったんだ。大半の人にはできない。1年でも乗り越えるのはとても難しいんだ。でも、彼は乗り越えた。キャリアの終わりも素晴らしいものになると思う」。

これまでのキャリアで、ローズはスターターとして平均19.4得点、3.6リバウンド、5.9アシストを記録している。リザーブとしては、36分換算で平均22.3得点、3.4リバウンド、6.2アシストだ。最初の4シーズンのうちの3シーズンよりも頻繁にショットを決めている。

原文:7 former All-Stars finding new life off the bench by Steve Aschburner/NBA.com(抄訳)


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